2サイクルと4サイクルエンジンの見分け方を楽しく解説【バイク編】
2サイクルエンジンと4サイクルエンジンの見分け方についての記事の要望がありましたので、今回はこのテーマを掘り下げたいと思います。
「見れば判るでしょ・・・。」
「音聞けば解るでしょ・・・。」
そう言ってしまえば、見も蓋もない・・・。
しかし意外と「文章と画像で説明しなさい!」と言うお題は難しい事に気づきました・・・。
よくある当たり前の説明では面白く無いので、世界観と時間軸を大きく取って、初級者から上級者まで楽しめる内容にしたいと思います。(笑)
▼まず構造的な違いの解説は下記のページで紹介しています。▼
第一部 原チャリ 50㏄スクーターでの2サイクルと4サイクルの見分け方
それだは実際に4サイクルエンジン搭載スクーターと2サイクルエンジン搭載スクーターを用意して、見比べて行きましょう。
4サイクルエンジン搭載スクーターのモデルは、ヤマハビーノ(SA26J)
コミックスやアニメで有名な「ゆるキャン△」のヒロイン、志摩リンちゃんの愛車と同型だ。
ちょうど志摩リンカラーに全塗装中なので、ここまでバラしていました。
続きまして2サイクルエンジン搭載車は・・・・・・・!
これ何てスクーターだか解ります?若い人は知らないだろうな~。
ヤマハ パッソーラ(SA50) およそ40年以上前に販売された、原チャリスクーターの最ご先祖様なのだ!
隼人さん、秘蔵の一台!(笑)
更に縦ジョグのエンジンに乗せ換えている、通称パッジョグなのだ~!
(1)エンジンの形状での判断
さてエンジンの形状を見て判断したいところなのだけれど・・・。
パッジョグのエンジンは強制空冷の為フルカバーされていて、かなりバラさないとエンジンとご対面できません。
4サイクルビーノもここまでバラしてやっとエンジンを拝むことが出来ます。
よって外見から判断する方法は不可能という結論。
最近?のスクーターはメットインの深さを稼ぐ為に、エンジンは前に倒されている。
またこの4サイクルエンジンは50㏄ながら水冷と凝った作りだ。
※水冷と言うのは本来は間違った言い方であり表記である。冷やしているのはラジエーター液(クーラント)。正確には液 冷と言うのが正しい。water cooling(coolant)ではなくliquid cooling(coolant) マメね!
(2)マフラーの形状での判断
上が4サイクルビーノ、下が2サイクルジョグのマフラー。
このような純正マフラーでは以外な程、形状が似ている。
解る人には判るだろうが、音の違いが判らない人には判断は出来ないだろう。
細かい所では、2サイクルエンジンのマフラーの出口付近が黒いオイルで汚れている事が多い。
また状況によって多少の白煙が出る事も普通。(2サイクルオイルがガソリンと一緒に燃えているため。)
4サイクルエンジンでも白煙が出る事もあるが、こちらはエンジントラブルである。
(3)オイル注入口での判断
結論から先に言うと、2サイクルエンジンと4サイクルエンジンの外見での判断は、オイル注入口で見極めるのが確実だと思う。
4サイクルの場合はほぼ間違いなく画像の様なエンジンの至近にオイルの注入口(点検口)がある。
一方、2サイクルエンジンの場合は、ガソリン注入口の至近に2サイクルオイルの注入口がある事が多い。
上の画像のちょっと汚れているプラスティックの容器が2サイクルオイルのタンクだ。
中には赤や青や緑に着色されている2サイクルオイルが入っている事だろう。
第二部 自動二輪の2サイクルと4サイクルの見分け方
さて、ここからは大人の時間です!(笑)
今まで2サイクル・4サイクルと言った記述をしてきましたが、ここからは2ストローク・4ストロークと記述を変えます。意味は同じです。
単車の世界では2ストエンジンとか4ストエンジンと言った呼び方が普通なので・・・。
2ストロークエンジン搭載車
上の画像は本場茨城のコンビニでお休み中の2スト愛好集団のマシン達!
許可を頂いて撮影させて頂きました。
このライムグリーンのケッチ(KH400)ド定番ながら最高にイケてます。
世界中の2ストマシンの中でも美しい1台と言えるでしょう。
注目ポイント1:エンジンの形状
400㏄ながらコンパクトな2スト3発空冷エンジン!(2サイクル3気筒空冷エンジン)
4ストの様にヘッドにカムやバルブを必要としない為、ヘッド部分にもアルミ製の放熱フィンが整然と並べられている。
奥に映っているGT380の放熱フィンの形状も個性的でカッコ良い。
時が流れて水冷が全盛になってくると、放熱フィンは無くなり更にコンパクトになって、ヘッド部分は丸くなっているデザインが多い。
次に3発(3気筒)エンジンは2ストエンジンである可能性が高い。
2ストエンジンはカムチェーンが不要の為、3発レイアウトが容易である。
片や4ストエンジンは左右対称のデザイン性や冷却性からして、センターカムチェーン方式が多かった。
隼人さんの知っている限りでは4スト空冷3発エンジンはヤマハGX750(650)くらいか。
注目ポイント2:マフラー(チャンバー)の形状
右に2本、左に1本と振られたチャンバー及びサイレンサー。
これぞチャンバーと、見本の様な形状ですね。
チャンバーとは簡単に言えば膨張室であって、排気の圧力波の反射波を利用するマフラーです。
外見からはっきりと2ストエンジンである事が解ります。
4ストロークエンジン搭載車
上の画像は今回の4ストサンプル車のXJR400
隼人さんがお客さんに頼まれてカスタムしたバイクだ。
注目ポイント1:エンジンの形状
エンジン上部のカムカバー(銀色の部分)が4サイクルの特徴だ。
見た目もカッコいいDOHC(ダブル オーバーヘッド カムシャフト)は高性能バイクの定番でもある。
このDOHC並列4気筒を量販車で初めて採用し、世界中をアッと言わせたのが、名車カワサキZ1であります。
注目ポイント2:マフラー(集合管)の形状
上の画像の様な4in1の集合管なら、ストレートなパイプの太さによって4ストエンジンであることが解るよね。
ノーマルマフラーの場合、説明がちょっと難しいんだよね・・・。(苦笑)
2サイクル・4サイクルエンジンの見分け方のまとめ
ここまで実際にバイクを見比べて来ましたが、外見だけでの判断って意外と説明が難しいですね・・・。
スクーターでは外装カバーに覆われているため、エンジンの直接の視認が困難。
またマフラーの形状からも特徴を特定出来ない為に難しい。
よってオイルの取り扱いの違いによる特定がベストであると結論を出しました。
自動二輪車では、エンジンの形状やマフラーの形状がハッキリと違う為、容易に判断出来ました。
最後に思う事は、2サイクルエンジンと4サイクルエンジンのバイクの見分け方で最も重要なのは、「サウンド(音)」の聞き分けなのかな・・・と。
バイクのサウンドは2サイクルエンジンと4サイクルエンジンの違いはもちろん、排気量やエンジン形状、カスタムパーツなどで、サウンドが変わりますから、耳を養う事が大切ですね。
耳が養われて来ると、ちょっとした異常音なども聞き分ける事が出来るようになってきます。
最後までご覧頂きありがとうございます。
お疲れ様でした!
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