チェーンソーの使い方 よく壊れる(壊す)原因を徹底解説
林業関係のエキスパートは別格として、土木や造園などの現場でも、チェーンソーを使いこなしている人は意外と少ない。
特にエンジンを動力にしている機械であることの理解が浅いようだ。
今回はよくある「チェーンソーの使い方」ではなく、その先にある一歩踏み込んだ内容を書いてみたいと思っている。
なぜよくチェーンソーは壊れる?(壊す?)
見出しの通り、チェーンソーは壊れるのではなく、壊しているのが現状だろう。
この壊し方には4つのパターンがある。
パターン1 整備不良による故障!
チェーンソーほどメンテナンスが必要な道具は無いかもしれない。
使用後はある程度の分解整備が不可欠だ。
それが手間がかかって面倒なので、おろそかにしてしまっている人が多いのが実情だろう。
整備に関しては以下のページで解説しているので、良かったら一読してみて下さい!
パターン2 使い方が悪くて壊す!
チェーンソーをよく使う諸兄であれば、必ず苦い思い出はあるだろう。(もちろん隼人さんも・・・)
よくやってしまうは切断面でガイドバーを挟み込んでしまう事。
そんな事は百も承知であっても、現場の厳しい状況次第ではやってしまうんだよね。
これに関しては、手間をかけて段階的に作業を進めるしかないんだけれど・・・。
パターン3 チェーンソーという機械を良く知らなくて壊す!
チェーンソーの息の根を止める最大の原因はエンジンの焼き付きだろう。
ここからが今回の「肝心」なんでしっかりと読んで欲しい。
そもそもチェーンソーと言う機械は両手でもって作業するために、小型で軽量、そして高出力が求められる。
だから大体30cc~50cc位の2サイクルエンジンが使われている。
そして実際に作業する時には、ほぼ最高回転、最高出力で運転しなければならない。
これはエンジンにとってはとってもツライ事だ。
自動車やバイクのエンジンを最高回転で回し続けたらどうなるか・・・。想像頂けると思う。
それではなぜ高回転、高出力が要求されるのか?
それは出力不足による急停止が怖いからである。
みなさんも刈払機などでよく経験があると思う。なにかに引っ掛かってガツン!と止まってしまうのが良くない。
急激はチカラの向きの変動で安全上も良くない事も当然であるが、エンジンの内部の回転部分の負担が半端ないんだ。
とっても小さく華奢なエンジンなんで、ピストン・コンロッド・クランクなどの部品を壊しやすいんだね。
次に高回転、高出力で運転し続けると熱的な問題が浮かび上がってくる。
もともとチェーンソーは小型・軽量・高出力が要求されているため、熱的に非常に弱い。
放熱対策はほとんどないと言って良く、放熱フィンが申し訳ない程度に付いているだけである。
さらにやけど対策でカバーされているから、熱はほとんど抜けないと言っていい。
もう少しみんなこの事実を真面目に受け止めるべきである。
夏場など気温の高い時は特に注意が必要だ。
隼人さんは「今日は切るぞ~!」って時には、必ず2~3台をローテーションして使っている。
要するに熱を冷ましながら使いましょうって事ですな!
パターン4 混合ガソリンが不適切で壊す!
例えば混合ガソリンの作り方とか50対1と25対1の違いなどで検索すると、ほとんどシロウトがいい加減な事を書いているのが情けない。この辺はちょっと厳しく言いたい。
とにかく2サイクルエンジンオイルを誤解している人が多すぎる。
正確な知識をもっている人は極少数だね。
この2サイクルエンジンオイルや混合ガソリンについては、下記のページで詳しく書いているので参考にしてほしい。
簡単にチェーンソーに使用するオイルの説明をすれば、一番グレードの低いFB級の25対1のオイルを使用しなければいけない。
またもっと突っ込んだ話をすると、チェーンソーは25対1の正確な配合比よりさらにオイル濃いめの配合比を好む機種がほとんどだ。
この辺りの感覚は漠然と給油するのではなく、毎回配合比率を微妙に変えて、エンジンの調子の感覚をフィードバックして行けば見えて来る世界だ。
チェーンソーを壊す原因のまとめ
隼人さんは毎年1か月くらいかけて大規模な伐採をしている。
毎年百本くらい一人で切っているが、チェーンソーのエンジンを焼きつかせた事は1度もない。
今年は8月の超高温のなか、ヘロヘロになりながらやったもんです・・・。
ポイントはたった2つだけ。
チェーンソーは熱を冷ましながら使う事。そして正しいオイルを正しく混ぜる事。(濃いめという事)
以上の2つを実践してもらえば、チェーンソーを長く壊さず使う事が出来ますよ!
【追記】
なんと2020年8月1日からは、現在取得している「伐木等の業務」が無効になってしまいます!
有効にするためには全員補講が必要です・・・。
詳しくは下記のページで解説しています!
今回はこれにて終了。
お疲れ様でした。
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