草津温泉はめぐり湯してはいけない!の理由:時間湯湯長廃止他の謎

草津温泉 白旗の湯
草津温泉 白旗の湯

全国の温泉を探訪する温泉マニアの隼人さんではあるが、数ある温泉のなかでも日本一はやはり草津温泉だと思う。

しかし近年、この草津温泉では気になるニュースが多く、千葉から足しげく通う隼人さんは心配している。

今回は草津温泉ならではの伝統であった時間湯と、検索で関心の高い「草津温泉はめぐり湯してはいけない」をキーワードに話を進めて行きたいと思う。

<追記>

先日より女性草津町議の発言が物議をかもしていますね。

末尾に若干の追記をしたいと思います。

まずは草津温泉源泉のおさらい

草津温泉がとても交通の便が悪く、山奥にあるにも関わらずこれほどの人気があるのは、その源泉の泉質の良さにほかならない。

アクセスは良くても廃れて廃墟と化している温泉街がどれほどあることか・・・。

さて草津温泉には大小様々な源泉が存在する。まずは是非覚えて頂きたい代表的な源泉を紹介しよう。

1)湯畑源泉

昔から草津の湯として親しまれてきたのは湯畑源泉である。

泉質表記は酸性・含硫黄ーアルミニウムー硫酸塩・塩化物泉  PH値は2.08

この湯畑源泉を引湯しているホテルや旅館は、それこそが老舗としての証である。

草津の源泉の中では比較的マイルドで入りやすい。湯畑の効果だろう。

2)白旗源泉

源頼朝伝説に由来するが信憑性はない。湯畑周りの綺麗に建て直された白旗の湯で頂くことができる。

ちなみに、すぐそばの湯もみで有名な熱の湯も熱の湯源泉を使わず白旗源泉を使用している。

草津源泉では珍しく若干白濁している。(湯の花が多い)

泉質表記は酸性・含硫黄ーアルミニウムー硫酸塩・塩化物泉  PH値は2.06

3)西の河原源泉

草津温泉の西の外れにある整備された遊歩道で湧き出しを見る事ができる。

その奥の有名な大露天風呂は万代鉱源泉が使われているのが残念。

1度は入ってみたい露天風呂だが、1度入ればそれでいい露天風呂。

本物の西の河原源泉の泉質表記は酸性・含硫黄ーアルミニウムー硫酸塩・塩化物泉  PH値は2.08

江戸時代、その筋の女性に好まれていたとか・・・。

4)地蔵源泉

かつては本格的な時間湯が行われていた地蔵の湯で頂くことが出来た。後述するが湯長制度が廃止されたため、どのような運用形態になったか現在は不明。今度確認にいってこよう!

泉質表記は酸性・含硫黄ーアルミニウムー硫酸塩・塩化物泉  PH値は2.05

5)煮川源泉

町営大滝の湯で頂くことが出来る。草津温泉では珍しく、大気に触れないように引湯している。

隼人さんが思うに、草津源泉のなかで1番バランスの良い源泉だと思うし、1番好み。

若干の白濁もある。

泉質表記は酸性・含硫黄ーアルミニウムー硫酸塩・塩化物泉  PH値は2.10

6)万代鉱源泉

1975年から利用が開始された新しい源泉。これにより草津温泉の外周に大型のホテルが増えた。

湧出温度が96℃と熱湯並み。

泉質表記は酸性・含ヒ素ーアルミニウムー硫酸塩・塩化物泉 と他の源泉と若干違う。

硫黄分が含まれないのは、超高温のため硫化水素ガスが飛んでしまうため。

現在もっとも多く利用されているが、お湯は堅くキツイ。PH値は1.67

7)綿の湯源泉

一般の会社が所有する源泉。ホテル櫻井やホテルヴィレッジで引湯されている。

若干の白濁もあり。泉質表記は酸性・含硫黄ーアルミニウムー硫酸塩・塩化物泉  PH値は2.10

草津温泉の源泉のまとめ

草津温泉は総じて数値では無く言葉で表現するならば、「硫黄臭の漂う熱くて酸性度の高い無色透明の湯」と言えるだろう。

酸性のPH値は大体レモン果汁並みだそう。5寸釘も10日で溶けてなくなるとか。

万代鉱源泉に関しては、日本一の強酸性を誇る秋田県の玉川温泉に肉薄するレベル。

ちなみに玉川温泉はPH値1.05で、脅威の胃液レベル。隼人さんも実際、源泉100%に入った時は本能的に身の危険を感じたほどだ。(笑)

草津温泉はめぐり湯してはいけない

さて上記の草津源泉の特徴で、草津の湯が身体にどのような影響を及ぼすかお分かり頂けたと思う。

古くから湯治場として栄え、恋の病以外は万病に効く!と言われた草津温泉。

特にその強酸性による殺菌力は、皮膚の疾患、ケガによる傷口の治癒に効果が高いと言われている。

同様の効果として,肌の角質層の間で脱水・加水分解・変性といった化学反応を起こす。

結果的に古い角質層をはがし、新しい皮膚の再生促進を促す!といった解釈でいいのではないか。

正に新陳代謝を高め、現代風にいえばピーリング効果そのものなんだね。

下呂温泉に代表されるアルカリ性の美肌の湯とはベクトルが真反対なんだ。

よって入湯する事が結果的に良い温泉であって、単純に入ることが気持ちの良いだけの温泉ではないと言う事だね。

もっと単純に言えば、「身体を溶かしている!」わけ。

そして地学的にも1200mの高所である事を忘れてはいけない。普段平地で生活している我々には多少の負担がある事は間違いない。

だから昔から「草津の湯はめぐり湯してはいけませんよ!」「調子に乗って湯めぐりなんかしてると身体によくないよ!」

「遊び半分で入るお湯ではないんですよ!」

と言われて来たのは、至極当然のことなんですな。

衝撃のニュース!時間湯での湯長廃止・・・。

草津温泉の伝統的な温泉文化として、湯もみ時間湯があった。

湯もみは高温でキツイ泉質を、加水せずに温度を下げ、空気に触れさせて多少まろやかに仕上げるための伝統的手法だ。

とっても労力を使うが理に適っていて、昔の人の草津の湯に対する考え方が推測できる。

現在は極々一部の老舗旅館に本物が存在するだけで、あとは熱の湯に代表されるエンターテインメントとなってしまった。

これは時代の流れで致し方ないのだろう・・・。

問題は最後まで残されていた地蔵の湯千代の湯の時間湯の湯長の突然の廃止だ。

2019年8月1日をもってホームページも閲覧不可となった。

どうやら原因は、近年の1人の湯長にかなり問題があったらしい。

興味のある方は調べてみて欲しい。草津町のグレーゾーンが垣間見れて参考になる。

ここで簡単に簡単に時間湯を説明すると、発祥は江戸時代で明治時代には草津で有名なベルツ博士の監修もあったらしい。

湯治者は湯長の管理下で、湯もみに始まり、手桶で頭にお湯を3~40杯かける。

湯長の号令で一斉に入浴!このとき波を立ててはいけない。熱いから。

湯長が号令をかけたならば、湯治者は大きな声を振り絞って「オゥ~!」と返事をしなくてはいけない。

3分間の我慢比べであるが、湯長が小気味よく時間経過を教えてくれる。

時間満了でまたまた湯長の号令で一斉に上がるといった一連の行為である。

隼人さんも10年以上前に千代の湯で体験したことがあるが、突然の廃止とは・・・。

草津町の説明によるが、時間湯は継続で行っていると言う。

でも湯長のいない時間湯って?理解できない・・・。

草津町は言い訳として「医療行為に触れる恐れがある」とか言っているが、それならば財政の潤沢な草津町、ちゃんと医療資格のある適任者を後継者として育成すればいいのではないだろうか。

医学的にも温泉療法は全国で行われているのだから。

この伝統ある時間湯を簡単に消滅させてしまう草津町の行政は如何なものか?

どうも最近の草津町は、観光地化に走り過ぎているようで心配だ。もちろん町が潤うのは結構なことだが、しっかりと伝統も守って頂きたい。

まとめ・・・草津温泉に想う事

地方は閉鎖的な社会である事は日本中当たり前の事実であるが、草津町の場合は半端ないらしい。

「草津の人間でなければ人にあらず!」なんて公然と囁かれているんだ。

地元の人にしてみれば、「観光客を人間扱いしていればやってられない!」なんて声が聞こえて来そうだ。

相当の割り切り方が存在しているのは容易に想像できる。

まあそう言った考え方になるのも無理もないのだろうけど・・・。

我々観光客だって、草津の住人の人情を求めて訪れるわけでもないしね。

ドライに言えば草津の温泉を堪能できて、宿泊すれば相応のサービスを提供されればそれでいい・・・。

そのサービスを提供してくれるのも実際は純粋の草津人なんてほとんどいないわけだし。

最近は外国人の従業員もすごく多いし、隼人さんの友人の努める人材派遣会社は草津のホテルに相当送り込んでいるそうだ。

実際の草津町の舵取りをするのは、町長、役人、少数の地元の有力者だろう。

この方々には、恵まれた自然に対して感謝の気持ちを忘れずにしっかりとした舵取りをお願いしたい。

町が潤い繁栄するのはたいへん結構なことだ。しかし受け継がれて来た文化も大切にしてほしい。

まあ、こんな小言は日本中の自治体に言えることだが、草津町はあまりに特殊な例だからね。

今回は草津町を外野からかなり斜めから見た内容でした。

次に草津を訪れる時にちょっと思い出して下さいネ。

いろんな角度から眺めると、ちょっと違って見えたりするものです。

さて今回の記事を読んで草津温泉に行きたくなった方は(苦笑)下記の記事で家族旅行に最適な3つのホテルのレビューを書いています。

(草津ナウリゾートホテル・草津温泉ホテル櫻井・草津温泉ホテルヴィレッジ)

良かったら参考にしてみて下さい!

 

最後までお付き合い下さりありがとうございます。

お疲れさまでした!

 

<追記>

先日より元女性町議会議員が町長に対して「過去にセクハラを受けた!」旨の発言がニュースになっていますね。

なにか違和感を感じている方も多いはず。

真偽のほどはわかりませんが、その背景を多少なりとも探る事は出来ます。

まず草津町長は減少傾向にあった草津町の観光者数をV字回復させた敏腕振りで有名です。

経営の手腕、センスはかなりのモノと見受けられます。

またワンマン振りでも有名であります。

町長陣営には天国でしょうが、アンチ派陣営には厳しい世界である事は容易に想像できますね。

このへんの背景が今回の騒動の裏にあるものと推測しても良いのではないでしょうか。

草津町が明るく繁栄していく事を願うばかりであります・・・。

<追記>

2020年に年が明けて早速、草津温泉に行って来ました!

宿泊はお気に入りの草津ナウリゾートホテル。

最新の宿泊レビューは下記より!