車の塗装屋さんの洗車道!今更聞けない正しい車の洗い方を解説!

普段何気なくこなしているマイカーの洗車。でも「正しい洗車方法って実際どうなのよ?」という素朴な疑問を抱えられている諸兄も多いことでしょう。

今回はそんな疑問を車の塗装屋さんである隼人さんがお答えしますよ。

仕事柄、お客様の車を拝見する事が多いのだが、残念ながら洗車のやり方に合格点を上げられる方はほとんどいない。

減点項目と言えば、「よく洗えていない」「洗車傷が多い」と言ったところか。

また洗車に対する考え方も人それぞれでしょう。

「出来るだけ楽をしたい!」と言う方も多いだろうし、「水を節約したい!」と言う方もいるだろう。

また隼人さんの様に、「マイカーを綺麗に保つために最大限の努力を払いたい!」と言う同志も多いと思う。

今回の記事はそんな洗車道を極めんとする、同志に捧げます!

しかし洗車の道は険しいと心得よ!(笑)

隼人流 洗車道の極意

なんか記事を書いてるうちに変な方向になってしまっているのは、お許し下さいませネ・・・。

極意とは大袈裟ですが、ここでは隼人さんの洗車に対する考え方について書きたいと思います。

まず、最近の風潮は「とにかく優しく洗いましょう!」って感じだと思うんですよ。

もう初めにぶっちゃけますが、隼人さんは強力な洗剤でゴシゴシ洗うんです!

そうしないと車の汚れが落ち切らないでしょう。残った汚れが蓄積してしまうのが嫌だ。

そうすると、だんだん車がくすんで見えて来るんですな。

また洗車後、2回に1回くらいの割合で、コーティングを上乗せするんだけど、汚れが残っていると、再コーティングによって埋め込んでしまう事になります。これはもう落とす事が出来なくなってしまうんですネね。

だから毎度の洗車は手抜きをせずにしっかりと汚れを落とし切りたい訳。

ボディー洗車の工程

はじめに「これだけはやってはイケない事」

まさか時間が無いからと言って、濡れ雑巾で乾いたボディーを直接ふき取ってははいないだろうね・・・。

これは塗装面をサンドペーパー掛けしているのと同じことだ。

塗装に付着している汚れはすべて大なり小なりの粒子である事を認識してほしい。

これを雑巾で引きずってしまうと塗装に傷を付けてしまうんですね。

よくある洗車傷はこれが原因だ。

また、水洗いだだけの洗車も注意が必要だ。

コーティング車など「水洗いだけでピカピカに・・・」なんてのが歌い文句だけれど、ボディーの汚れはそんなに甘いもんじゃない。

雑巾でふき取るだけよりはましだが、油分や化学物質に全く対応できないからだ。

最良の洗車方法とは何か?

最良の洗車を求めるならば、方法的にも時間的にも省略・短絡はあり得ないと思う。

その都度、覚悟を決めて真摯に向き合う姿勢が必要だと思う。これこそが洗車道の神髄だ!(笑)

さていよいよここからは技術的な話に入って行こう。

まず、洗車に必要なモノといえば、水・スポンジ・洗車ブラシ・吸水力の強い雑巾・カーシャンプーだ。

先ほど、「水洗いでは不十分である。」と書いたので、まずはカーシャンプーの話をしよう。

カーシャンプーも生活の中で多様に必要としている洗剤のカテゴリーに含まれる事は間違いない。

では洗剤とは、どんな作用をもって汚れを落とすのだろうか?

それは、界面活性剤という成分の働きによるものである。

どのような作用があるのか?と言えば・・・。

  1. 浸透作用:水の界面(表面、汚れとの境界)張力をさげ、汚れと水を馴染みやすくする。
  2. 乳化作用:水に油を入れて混ぜようとしても、分離して混ざらないが、界面活性剤を入れると界面活性剤の粒子の親油基が、油の粒子を包み込む。
  3. 分散作用:たとえばススのような粉末を水に入れても混ざらず表面に浮かんでしまうが、界面活性剤を入れるとススの分子を取り囲んで水中に分散する。

この界面活性剤の作用を利用して、汚れを落としたいわけですね。

カーシャンプーにも、もちろん配合されていて、更に洗車に有効な成分を配合して構成されている。

またカーシャンプーに求められる性能として、クリーミーな泡で汚れの粒子を包み込み、塗装との摩擦を出来る限り小さくして傷を付けづらくする性能、そしてすすぎで出来るだけ塗装面に残らない性能である。

とは言え、かなり入念にすすいでふき取っても、カーシャンプーを除き切るのは難しい。

これは綺麗な洗車をするための重要なハードルだ。

洗車の行程を順番に解説

洗車の際にカーシャンプーの必要性を理解出来たところで、いよいよ実践にはいろう。

車全体によく水をかける。

一番最初はボディー全体に水をかけて、洗い流せる汚れは出来るだけ洗い流したい。

 

夏季などはボディーの表面温度を下げる目的もある。

ご存じとは思うが、洗車は気温が高かったり、直射日光下では難しくなる。

スポンジにカーシャンプーを付けて良く洗う

通常はルーフパネルから洗って行くのがセオリーだ。また汚れが酷く粒子が荒いと判断したときは、2度洗いを選択する。

このスポンジを使っての汚れを落とす作業が最も重要であると考えられる。

スポンジはカーシャンプーで泡立っているはずだが、少しでも汚れで茶色くなったら、水を張ったバケツでよく洗おう。

そのままの状態で洗い続けると洗車傷を付けてしまう。洗車後バケツの中を確認すると、砂粒が結構沈んでいるのが確認できる。

また洗車中はスポンジの表面に不純物が付いていないか、手のひらでよく確認しよう。

隼人さんは塗装面も手のひらで確認する。結構塗装に食い込んだ鉄粉等が多いよ。

だいたいルーフパネルは、踏み台を使用する事もあるが、8分割ぐらいで洗って行く。その都度水をかけて洗い流す。

この時、先に水が蒸発して洗剤が残ってしまったら、やり直し。

とにかく洗車は最終的にカーシャンプーが残ってしまうという事は絶対に避けたい。これが結構難しいのよ。

先に書いたが、隼人さんは強めのカーシャンプーを使う。

今使っているのはコレ。コンパウンド配合。コンパウンドといえば、傷が付きそうで敬遠しる人もいるかも知れないが、製造メーカーだってよく研究しているので、そんな心配は全くない。

スポンジと塗装面を確認して、行ける!と思えば!強めにしつこく擦る。パネルとモールの境目などはスポンジを差し込んで、「キュッ、キュッ」と音がするくらい洗う。このような細かい隙間が皆さん洗えていない。

タイヤは最後に洗う

タイヤホイールが先という人もいるが、隼人さんは最後に洗う。

タイヤホイールだけでなく、タイヤハウス内も出来るだけ洗いたいから!

手が届く限り専用の雑巾とブラシで洗って行く。

ホイールの内側も腕を差し込んで洗う。

普段から綺麗にしていれば、さらっと落ちる。

また車をタイヤ半回転分動かしてタイヤの上下を入れ替える。これをやらないとタイヤとホイールを確実に洗う事が出来ない。

ふき取りにはマイペット

上の画像にある通りふき取りの際、マイペットをバケツに微量入れる。

ボディーの汚れ残りや、特にふき取り雑巾の汚れ離れが良くなる。

これも界面活性剤のおかげであって、真水とは全然違う。

とにかく拭き残しが無いよう急いで拭き上げよう。できれば乾かないうちに・・・。

それからドアやフードパネル、給油口、リヤゲートなど開けられるところはすべて開けて汚れをふき取る。

 

上の画像のカウルトップ周りが掃除できていない車が多い。

 

リヤゲートの上の部分もみんなが掃除出来ていない場所だ。

この車は下ろしてから2年半たったC-HRだ。決して新車ではない。

洗車道 まとめ

如何でしたか!由緒正しき洗車道を垣間見る事ができたでしょうか。(笑)

隼人さんはこの洗車道を極めんがために、もう黒系の車を3台乗り継いでいる。

洗車傷もほとんど無い。

そして黒系の車は綺麗にしておくと、手放す時に間違いなく高く売れる。

常日頃から、愛着をもってマイカーを綺麗にしておくことが、洗車道の基本でありますね。

最後に今一度、洗車の要点をまとめておきましょう。

  1. できれば、直射日光下、気温の高い時は避ける。
  2. 水を大量につかって洗い流す。
  3. 良質のカーシャンプーを使う。
  4. 小面積で仕上げていく。
  5. スポンジ表面に気を使う。
  6. カーシャンプーで洗ったところは、ふき取る前に乾かさない。
  7. ふき取りは素早く確実に。
  8. タイヤハウス内も出来るだけ頑張る。
  9. 開けられる所はすべて開けて掃除する。
  10. タイヤは必ず半回転するように車を動かす。
  11. 雑巾は場所ごとに使い分ける。
  12. ふき取りにはマイペットを混ぜる。

以上の項目をマスターできれば、あなたも隼人流洗車道の免許皆伝だ!(笑)

 

最後までご覧頂きありがとうございます。。

お疲れさまでした!