本当のロードノイズ対策を車の鈑金屋さんが伝授3(遮音編)

前回は音の性質について記述しました。

さて今回は、ロードノイズ対策方である、遮音、吸音、制振と3つに区分して説明していきたいと思います。

実際の作業ではこの3つの複合技も多分にあります。説明上区分しているだけなので、あしからず。

遮音とは?何を使ってどうすればいいの?

遮音とは字のごとく音を遮る事ですね。

まずタイヤから発せられるノイズ(音)はフェンダーやフェンダーライナー(フェンダー内側のプラスチックカバー)、フェンダーエプロン、サイドメンバー等の車のボディーに入射してきます。

この入射してきた音は、ある割合で反射し、ある割合で鉄やプラスティックにとりこまれ、残りは透過していきます。この割合は物質によって変化します。

これには法則があって、

質量(比重)が大きければ大きいほど音を遮る能力が高くなる。

この法則を質量則と言います。

また固くて平坦であるほど強く跳ね返します。

この法則を利用して対処するのが、遮音です。

極端な例をあげれば、分厚い鉛で遮ってしまえば、もっとも効果が高いと言う事になります。

しかしこれでは、身も蓋もない。

グラム単位の軽量化で苦労しているメーカーのエンジニアさん達は涙を流す事でしょう。

また先にも書きましたが、この空気伝搬音自体のエネルギーはさほど大きくはないです。

施工の難易度も高いところばかりですから、優先順位は低くなります。

それでも、遮音についてはここで粗方終わらせておきたいので、施工場所や方法について書いて行きましょう。

1か所目はやっぱり上記の通り、タイヤハウス周りです。

フェンダライナーを外して施工します。

するとフェンダーエプロンやサイドメンバーの全容が見えてきます。

ここに市販の遮音材や制振材を貼り付ける、もしくは制振スプレーを塗布します。

この制振スプレーはゴム状の厚い皮膜を形成するのですが、しっかり塗り込まないと効果が薄いですしバサバサに仕上がると汚れが付着しやすく見た目も良くないので、腕に自信のある方、もしくはプロの仕事となるでしょう。

ですから一般的なのは遮音材、制振材の貼り付けですね。材料については防振の項目で後記します。

貼り付けのポイントはよーく観察すると結構、鉄板の合わせ目などに穴というか空洞があります。

こんな所は徹底的に塞いで下さい。

画像を見るとメンバーに丸い穴が大小結構あります。

このメンバーの中の空間に空気伝搬音を入れたくありません。

こんな感じで、穴や弱そうな所、ボディーとパーツの接点などを抑え込んでいきます。同時に制振の効果も発揮します。

また、外したフェンダーライナーの裏側にも施工します。

まあこの辺は、これが正解!ってモノはありませんから、いろいろ工夫してみて下さい。

施工後の耐久性も考慮に入れて置くことが肝要です。

ついでに良ーく掃除をして下さいネ。

 

2か所目はエンジンルームと室内を遮るパネル群です。

最近の車はエンジン音も静かになってきており、ハイブリット車は走行中エンジンが回ってない状態すらあります。

ですからエンジンルームからの音に不快を感じる方は少ないでしょう。

それでも施工するとすれば、出来るだけエンジンルーム側からの施工が望ましいのだけれども、ゴチャゴチャしてるし熱的にも厳しいので無理がありますね。

おすすめはカウルトップパネル内(ワイパーが付いているあたり)なんですけど外すのがちょっと難しい。

施工できればそれなりの効果はあります。

残るは室内側から攻める事になりますが、これまたインパネが邪魔して施工しづらい。ナビやオーディオをいじる時のついでぐらいでいいでしょう。

いずれにしてもこの辺りは遮音をねらっての施工の優先順位は低いと思います。

3か所目は室内の外部から入ってくる音の遮音をまとめてしまいます。

ここでは残念ながら、ガラスの遮音性能が大きく影響してしまいます。

外界からのノイズの侵入が1番大きいのは、やっぱりウインドウガラスからなんですね。

余談ですが、隼人さんは現在の愛車C-HRの前は30プリウスに乗ってました。

50プリウスから「ガラスが変わった!」とウワサには聞いていましたが、その遮音性能にびっくりしましてね。

実際これで乗り換えを決めたほどです。

ガラスの話をしましたのでまずはドアから。

ほとんどの車にはドアスピーカーが付いているので、デットニッグ主体でと言う話になります。

ロードノイズ低減、室内静音化のみでの施工は現実的ではありませんね。

ですからデットニングの項目で後述します。

次は、フロアパネル。シートやフロアカーペットを全て外してでの作業となりますが、とにかく面積が広いので、遮音材を多用する事になります。

やっただけの効果はありますが、対費用効果としては低いと言わざる得ないでしょう。

とにかく材料費がかかります。ここは要所を抑えた制振で十分だと思います。

まっとうな車では、フロアカーペットの下に市販の遮音シートを敷いた位では、全く効果はありません。

最後にルーフパネル。ルーフトリムを外して、屋根の鉄板に施工します。

雨音には絶大な効果を発揮しますが、こちらも対費用効果が問題です。

ここもポイント制振で十分だと思います。

遮音をまとめます。

遮音という方法からのアプローチは本気度による所が大きいと思います。

特に室内はお金をかけて遮音材を大量にぶち込めば、怖いくらいの静寂空間が出来上がります。

ちょっと耳に違和感を覚える位の。

しかし上にも書きましたが、対費用効果が問題です。

これから書いていきますが、ポイントを制振していくのがコストパフォーマンス的にも最良だと思います。

次回は第四回目、吸音をちょっとと、本命制振を書いて行きたいと思います。下記からどうぞ!

お疲れさまでした!